
失敗を防ぐためにも知っておきたい。テレビを壁掛けにするときの“理想の高さ”はどれくらい?
2024.01.05

DIYなどご自身で取り付けるにしても、専門業者に相談するのだとしても、テレビを壁掛けにしたいと思ったときに、多くの方が“テレビを設置する高さ”で悩みます。
壁掛けテレビは壁に穴をあけて取り付けるため、テレビを設置する位置を間違えると不要な穴だけが残ってしまいます。また壁掛けテレビの高さは視聴のしやすさにも直結するため、そういう観点からしても慎重に決めていかなければならない部分です。
設置後、壁掛けテレビの位置を動かせない状態になってから「あぁ、失敗したな……」と後悔しないためにも、テレビの設置位置は適当に決めないようにしたいところです。
1.壁掛けテレビの高さの目安は○cm

テレビを壁掛けにする際の“ちょうど良い高さ”というのは、ご自身の身長やお部屋の使い方、お手持ちのインテリアなど、どこからどのようにテレビを観たいのかによって異なります。
【座布団や床に座る場合】
床から70〜75cmの高さ
【ロータイプのソファなどに座る場合】
床から90〜95cmの高さ
【通常のソファやダイニング用のイスなどに座る場合】
床から110〜115cmの高さ
一般的な設置高さとしては、上記の高さがそれぞれひとつの目安となっています。とはいえ、これらの高さはあくまでも目安であり、どのご家庭にも等しく当てはまるというものではありません。そしてもちろん、テレビの見やすさや楽だと感じる首の角度にも個人差があります。
最適なテレビの高さは、部屋の使い方や誰がどのように使うのかによっても異なります。テレビを壁掛けにするときには、ライフスタイルの変化などの可能性も考慮すると、長い期間快適に使うことができるでしょう。一般的な数字だけを基準にするのではなく、ご自宅で使用しているインテリアやテレビから視聴場所までの距離、ご自身の身長(座高)など、さまざまな条件を総合的に反映させて高さ決めを行えると良いですね。
2.設置位置の決め方のコツやポイントは?

壁掛けテレビは、一度設置したら簡単に付け替えができないものだからこそ、慎重に位置決めを行なわなければなりません。
決め方のコツやポイントなど、意識すると良いことをお伝えします。
2-1.目(目線)の高さを意識する
テレビの大きさ(インチ数)に限らず、テレビを壁掛けにする際には、目(目線)の高さを意識すると良いでしょう。
首(顔)を上に向ける姿勢は肩首や背中に負荷がかかりやすくなります。それにより筋肉の凝りや姿勢の乱れが起こるなど体の不調を招く可能性があるため、顔が自然に斜め下を向く(顔が上を向かない)姿勢がテレビを見るのに適した角度だとされています。そのため一般的には、テレビを壁掛けにする際の最適な高さは、座ったときの目線から5cm〜15cm程度下の高さに設置するのがベターだと言われています。自然に顔を前に向け、若干下寄りに見える部分にテレビの画面を持ってくるイメージですね。
ただし、目線の高さはただ下げれば良いというものではありません。寝室への設置などは例外となることもあります。たとえばベッドで横になりながら視聴を希望する場合、目線を下げすぎた位置に設置すると、逆にそれが首を痛める原因となることもあるのです。寝具や枕の高さなども考慮した上で、目線の位置を適切に見極めるようにしましょう。
2-2.窓のそばへの設置
窓の側は結露が発生しやすく、壁掛けテレビの設置場所としてはやや不向きな位置です。
仮に結露しやすい位置への設置をした場合は、結露を拭き取るなどのケアをすることをおすすめします。こまめなケアがテレビ本体の故障を防ぎます。
また、逆光や自分に直接窓の光が差し込むような位置への設置も控えるべきでしょう。
「大きな窓の側に設置しないから平気だろう」「小さな窓だからそれほど問題ないだろう」と思われるかもしれませんが、南側に面した窓や西陽が降り注ぐ位置に窓がある場合にはたとえ明かり取り程度の小さな窓でも日差しが気になりテレビの視聴を妨げる場合があります。
日差しの差し込み方は、時間帯や季節、方角によって異なります。また窓の高さや大きさによっても変わってきますので、そのあたりもしっかりと事前に計算をして設置場所を決める必要があります。
2-3.生活動線を考える
たとえば、慌ただしく家族の誰かが行き来するような場所にテレビを設置するのは、あまり適した設置場所とはいえません。
前を横切る方にとっても、テレビ視聴を遮られてしまう方にとっても大なり小なりストレスが生じます。ご自宅は日常を過ごす場所ですから、家族全員がストレスに感じてしまう場所への設置はなるべく避けるべきだと言えます。
仮に生活動線上にしか壁掛けテレビを設置できないような場合は、高い位置に角度をつけて設置するなどの工夫を取り入れてみるのも良いでしょう。
ここまでテレビを壁掛けにする際の高さについてご説明してまいりましたが、これらはあくまでも基本的な部分でしかありません。
実際にテレビを壁掛けにする場合、たとえば目線の高さなどはご家族の誰を基準とするのかという点や、テレビと視聴位置との距離感、生活動線などを総合的に考慮する必要があります。
テレビを壁掛けにする前には、実際に座って高さを確かめてみるなどのシミュレーションをしてみることをおすすめいたします。
3.壁掛け金具でデメリットを軽減させられる

壁掛けテレビのデメリットは、やはり一度決めたら簡単には場所移動をすることができないということでしょう。だからこそ、一度設置したら気軽に場所移動をすることができない壁掛けテレビの設置では、高さや位置を慎重に決める必要があります。しかし長期間その部屋を使用していれば、ソファやダイニングセットを買い替えるようなシーンも出てくることでしょう。全く同じものを買い替えるというのであれば問題ないでしょうが、家具を買い替えるときにはおそらく別の家具を選ぶことが多いと思います。そうなるともしかしたら座面の高さも変わってくるかもしれません。このような場合にテレビの角度を全く調節できないというのでは困ってしまいます。
長期間使うものだからこそ、テレビを壁掛けにする際には角度の微調整ができる壁掛け金具を使用することをおすすめします。テレビの壁掛け金具には、全く動かすことのできない固定式のシンプルなタイプだけでなく、左右の首振りを可能にするもの、上下方向の首振りを可能にするもの、前後に伸縮できるものなど、さまざまなタイプが存在します。できるだけテレビの存在感を消せるよう壁近くに取り付けたいというような強いご希望があるわけではない場合、将来的に目線の高さが変わる可能性を視野に入れて、高さなどの調節ができる取り付け金具を使用するのが良いでしょう。
4.綿密に事前計画を立てることが重要

置き型タイプのテレビの場合、お好みの高さにテレビの画面を持っていきたいとき、ちょうど良い高さのテレビ台を見つける必要があります。しかし、テレビを壁掛けにしてしまえば、基本的にお好みの高さにテレビを設置することが可能となります。数ミリメートル〜数センチメートルといった細かな高さまで調節することができるのも壁掛けテレビのメリットです。そして、AV機器やゲーム機器類などもテレビとまとめて壁に掛けてしまえばテレビ台自体も不要になり、部屋のスペースをさらに広く活用することができるようになります。ただし、本コラムを通して何度もお伝えしてきましたが、壁掛けテレビは置き型タイプのテレビとは異なり、一度設置すると気軽に場所移動や高さ調節を行うことはできません。高さ調節を誤ると首や肩凝りの原因のひとつとなってしまうので注意が必要です。
後悔先に立たず。壁掛けテレビの設置は、今後の快適な生活を左右する大切な決定事項です。
「考えるのが面倒くさいから、こんなものできっと大丈夫だろう」と慎重さを欠いた決定は、後悔につながりかねません。とはいえ、これら全てに満遍なく気を配り、設置場所を決定するというのはなかなか難しい部分もあると思います。テレビの壁掛け工事自体は、ご自身で行えないものではありません。知識と道具があればDIYで行うこともできます。しかし、耐震への配慮や安全面を考えると、やはり専門業者の適切な工事作業というのは心強いものがあると思います。
弊社ではご相談から設置工事までを一括して行うスタイルをとっているため、お客様のご希望をしっかりと汲み取りつつもスピーディーな設置工事を行うことが可能です。
壁掛けテレビの取り付け位置や高さでお悩みなら、ぜひ弊社へご連絡ください。年間7,000件以上の施工実績をもつ弊社では、豊富な経験と知見を活かし、お客様にぴったりの空間デザインをご提案させていただきます。